S.C.マーキングローラーの歴史
Scribed Circle(SC;スクライプドサークル)とは「罫書きによって描かれた円」という意味です。
Scribed Circle Test(SCT;スクライブドサークルテスト)はプレス成形加工に於けるプレス成形性評価解析方法のひとつです。
プレス加工前の素材に指標となる「円」または「格子」を罫書いておき、トライプレス後にその指標の変形量を数値化して歪み値としてとらえ、それぞれの素材がもつ成形限界図(FLD;Forming Limit Diagram)と比較し検討する方法です。プレス成形品に発生する「ワレ」「シワ」等の成形難易度の高い部位の解析に利用されます。
歪み値と同時にその方向が分かるために、実際に素材が型の中でどのように流れているのかを推定、追跡、検証する方法として特に優れているテストです。
このテストの普及とともに素材にその指標となる精度の良いパターンをマークする方法として、直に鉄筆等で罫書くやり方に替わってステンシルを介して電気的に腐食させる方法が考えられました。これも一長一短あって、ラバースタンプでマーキングできないかというアイデアが生まれました。
指標パターンの塗膜強度は電解腐食法に劣るものの作業効率は遥かによく、計測後またはミスマーキングの際に簡単にふき取ることが可能です。これは特に自動車の様なパネルのプレス成形評価にとって有用であり、瞬く間にフラット型のラバースタンプ治具は自動車業界を中心に普及し始めました。
しばらくして、さらに短時間で広範囲にマーキングできないかという要求が出始めました。『スクライブドサークルマーキングローラー;SCマーキングローラー』はそのような現場のエンジニアの要望を基に考案、開発され世に登場しました。また 自動車産業を皮切りに航空機、家電、住宅設備といったプレス加工現場の品質管理や技術開発部門、金型製造、金属非金属製造分野、大学や学術研究機関の加工技術開発分野に至るまで幅広くニーズに応えてきました。
さらに近年では有限要素法を利用した光学式3D歪み計測システム(三次元歪み測定)に対応した指標パターン、機種をそろえております。